11. オカルト予想が正解に近い説(10:00〜10:56)
校庭で3人がお話するシーンを中心に。
今回のポイント
エベレット解釈を解釈すること。
オカルトを真面目に噛み砕く
別の人の人生の夢を見ていたような気がしてくる三葉。それに対し、てっしーは前世の記憶では!?などと雑誌を見せながら熱弁します。前世の記憶〜は主題歌の前前前世に掛けてる可能性は感じます。例えば本当に前世の記憶だった場合、「三葉の前世は瀧」という、時間空間を考慮すると現世と前世が同じ時代で生きるという何とも不思議な状況になります。
てっしーが提示したもう一つの可能性「エベレット解釈」は、「三葉の前世は瀧」という解の補足としては正解に近い感じがします。エベレット解釈についてはwikiへのリンクを貼らせていただきます。
「三葉の前世は瀧」という説を一旦置いておくとしても、本編では過去の出来事を変えようとする内容が含まれるので、エベレット解釈に基づくマルチバース云々を語ったてっしーは良い感じにニアミスをしているように感じました。
エベレット解釈をまだ完全に理解できていないため、書いた内容が正確でないかもしれません。
儀式のストレス?
てっしーがオカルト的予想をする一方、さやちんは例の儀式のストレスによる疲れと予想しています。例の儀式とは、三葉と四葉が衣装を纏って舞い、口噛み酒を作るあの儀式。年頃の乙女がやるにはやはり精神的なストレスは大きそうです。しかし「昨日はやばかった」理由としては違うようです。
「昨日はやばかった」理由から一旦離れて会話を聞いてみると、どうやら三葉は高校を卒業したら東京に行くという希望があるようです。狭くて濃い町、糸守町。ちょっと行ってみたい気分になるキャッチフレーズです。そんな会話をしている時に描かれるものは、またしても鳥です。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
鳥については、6回目の投稿でも書きましたが瀧と三葉を表しているのではないかと思いました。このシーンでは1羽だけ、湖の上を左側から反時計回りに飛んでいます。左、つまり未来側から時間を遡る方向に飛んでいるので、このシーンの鳥は瀧を象徴する鳥だと推測します。では何故ここで瀧を象徴する鳥が出てくるのでしょうか。おそらくポイントは三葉が早く東京に行きたいということ。この後三葉は入れ替わった状態とはいえ東京の地に立ちます。その入れ替わる相手、すなわち瀧のことを匂わせているのではないでしょうか。こう予想してみましたが、あまり自信がありません!!
今回のまとめ
・てっしーのオカルト予想が実は正解に近いのでは。
・三葉は早く東京に行きたい。
10. かたわれ時の語源とノートの殴り書き(8:49〜10:00)
先生のお話から、校庭で三葉たち3人がお話ししているシーンまでです。
今回のポイント
かたわれ時というキーワード登場の裏に隠れた壮大な伏線。
黄昏よりも暗(以下略
何を略したか分かる人はド○グスレ○ブを打てる人ですね…
黄昏時の語源についての授業のようです。エンドロールで出てきますが先生の名はユキちゃん先生だそうで、噂では新海監督の過去作「言の葉の庭」に登場している(?)らしいです。言の葉の庭を見ていないため裏事情が分かりませんが、ユキちゃん先生の台詞は黄昏時の説明のみなので、どのような成り行きで登場することになったのか気になるところです。
授業の内容を見ていきます。「誰そ彼」が黄昏時の語源だそうです。黄昏時、それは昼でも夜でも無い時間、人ならざる者に出会うかもしれない時間。昔に遡ると「彼誰そ時」や「彼は誰時」とも言ったそうで、これの糸守の方言として「かたわれ時」というワードが登場します。
この説明だけで凄まじい伏線を作っていますね。黄昏時の説明が正に大きな伏線です。また、説明の直前には三葉のノートの殴り書きを見せています。ノートに書かれた「お前は誰だ?」と授業の「誰そ彼」も狙って掛けているのではないでしょうか?
「誰そ彼」の直前の授業内容
既に板書には色々書かれていましたので、折角ですからそっちも見ておきましょう。「逢魔が時(おうまがとき)」という単語はセリフにはありませんが、黄昏時と同義です。黄昏時の関連用語を挙げている感じでしょう。
黄昏時の話題は、黒板右に書かれている和歌から発展しているようです。書かれているのは以下のものです。
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の
露に濡れつつ 君待つわれそ
「万葉集」第10巻2240番
訳は以下を拝見致しました。誰そ彼とわれをな問ひそ九月の露に濡れつつ君待つわれそ | うたのおけいこ 短歌の領分 - 楽天ブログ
「黄昏」の語源はこの和歌のようです。成る程ここから「かたわれ時」の話に発展していったのですね。
…これで終わるわけにはいきません。この和歌がこのタイミングで提示されているのは凄まじく壮大な伏線です。和歌の訳を参考に更に言い方を砕くと「『君は誰?』と聞かないで。9月(新暦では10月)の雨に濡れて待ってる私なのだから」となると思います。本編のかたわれ時のシーン前後を思い出していただきたいです。その辺りには、『君は誰?』と聞くシーン、10月に雨に濡れるシーン、人を待つシーン、ありますね…。まさか開始10分でクライマックスのシーンを31字で表現しているとは…。おまけにこの和歌の作者、ご丁寧なことに作者不詳で、作者に対しても「君は誰?」状態です。
セリフとしては和歌に触れられていませんが、板書には様々な情報が凝縮されているようでした。「折角だから板書も見ておこう」のノリで見るのは大きな間違いでしたスミマセンでした!!
今日は名前を覚えている日
映画の視聴者的には重要なかたわれ時の説明でしたが、三葉的にはノートの殴り書きが気になって仕方がないようで、ノートをペラペラめくっては睨みつけています。そんな中突然先生に指名される三葉、今日は慌てるも起立できました。昨日は呼ばれても反応できなかったのでしょう。昨日は週明け…というか9月2日(月)なので夏休み明けでしょうか。幸先の悪い新学期だったようです。
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このペラペラめくっている姿と共に筆記用具も描かれていますね。とりあえず今回は筆箱が可愛いということだけ覚えておいて下さい。多分15回くらい後の投稿で触れます。
ぷるぷる具合が可愛い
休み時間、校庭の隅の方にある椅子と机で話をする三葉、てっしー、さやちんです。ようやくここで三葉は昨日何があったのかを聞くことができます。さやちんに「昨日は寝癖ついててリボンもしてなかった」と言われますが、三葉はそれに加えて説明になかった「不気味に笑う自身の姿」を想像しています。お茶目ですね。そしてその想像を振り払うように顔を左右にぷるぷる振ります。お茶目ですね。
ここでのお話の内容はまた次回。
今回のまとめ
・かたわれ時というキーワードの説明のためにユキちゃん先生登場。
・板書の和歌がクライマックスのシーンを簡潔に説明している。
・三葉の筆箱が可愛い。
・三葉の顔ぷるぷるが可愛い。
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9. お前は誰かより、お前はいつ入れ替わったのかを知りたい(8:00〜8:56)
町長選挙の演説から学校の授業の途中まで。ユキちゃん先生登場ですが、私ユキちゃん先生知らなかったので、新海監督の過去作品との関連については分からない人です。
今回のポイント
日付と曜日で伏線回収。
またしても軽トラに注目
選挙演説を聞く民衆、現役町長の黒い噂を話しています。これは三葉のクラスメイトからも弄られる噂のようです。反論せず俯いて前に進む三葉とてっしー。親の蒔いた種が子に影響を与えてしまうこの感じ、もどかしいです。
三葉が歩く様子を見た宮水父は「胸を張って歩け」と追い討ちをかけます。三葉の心境としては「誰のせいで胸を張れない生活を強いられているんだ」というような心境だと思います。
そんな中注目するのは前回に続いてトラックです。このタイミングでラーメン吉野さんの軽トラックが登場です。物語中盤にラーメン吉野さんは登場しますが、ここで登場している意味は一体何でしょう。
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このシーン、自分の中で明確な解答が出せていないシーンの一つです。一応可能性の一つとして、ラーメン屋の方が糸守町出身であることの証明かな?と思いました(後ほど出身地について触れられるシーンがあります)。しかし、ご主人も奥さんも演説会場にいないような感じがしたのですがどうなのでしょうか…?
誰だおめぇ?
…とは書いていませんが、遂に入れ替わりの痕跡を見つけます。国語の授業中、ノートをめくると三葉の身に覚えのない殴り書きを見つけます。9月2日に入れ替わりは発生している筈なので、おそらくその日に入れ替わった瀧が書いた殴り書きを三葉が見つけた訳ですが、この辺りから気になるのは9月2日に入れ替わった三葉は何日の滝と入れ替わっていたのか?です。描写的に、三葉が初めて東京の景色を見たのは9月5日です(詳しくは19,20回目辺りで)。しかし9月2日には別の人の人生の夢を見ていたと述べています(11回目辺りで)。描写的には三葉の初めての入れ替わりは5日に見えますが、2日は何が起こっていたのか…悩ましい点です。
4回めの投稿以降で、初めての入れ替わりが起こった日は9月2日と何度か書いていましたが、ついにその日付を断言する根拠が出てきます。黒板の右隅には9月3日(火)と書かれています。9月3日の朝に「昨日はやばかった」と四葉に言われたことになるので、入れ替わりが発生したのはこの日の前日、すなわち9月2日ということになります。
ちなみに黒板には9月3日(火)と書かれていますが、2016年のこの日は土曜日、2013年のこの日は火曜日です。この段階で既に入れ替わりに3年の差が存在することを少し確信できる状態でした。
先生のお話は次回に纏めて聴きたいと思います。
今回のまとめ
・ラーメン吉野さんが気になる存在になりつつある。
・日付という伏線回収の始まり。
8. 何気なく通り過ぎる軽トラック(7:02〜8:00)
妹と別れて高校に向かうところから、町長の演説のあたりまで。
今回のポイント
隅々まで見ると発見があるよ。
てっしー、さやちん現る
颯爽と自転車二人乗りで登場の勅使河原くんと名取さん(以下てっしー、さやちん)。二人乗りは基本的に法律違反、運転操作も難しいので現実では真似しないことをお勧めします。それは置いときまして、さやちんを自転車の後ろに乗せて走るてっしー、何とも微妙な表情をしています。しかし前方に三葉を見つけた時、目が一瞬見開きます。本当に一瞬です。
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てっしーは三葉と挨拶を交わすとき、見事に鼻の下が伸びています。さらに背中のさやちんを突き放します。てっしー分かりやすいです。さやちんを自転車の後ろに乗せても微妙な表情のてっしー、彼ら2人は俗にいう腐れ縁、幼馴染という感じでしょうか。三葉が「仲ええなぁ」と言った後に2人が「良くないわ」とハモるのも微笑ましさを感じてしまいます。
そんな2人の関係も気になるところではありますが、6回目の投稿に続いて簡単にてっしーとさやちんの家の場所を推測します。湖を反時計回りに自転車で進んで高校に向かい、三葉に追いついています。ここから、彼ら2人の家は宮水家よりは東かつ高校の対岸とまでは行かない範囲と予想できます。この段階ではあくまで推測ですが、勅使河原家と宮水家の位置関係に関しては15回目位の投稿で答えが出てきます。
軽トラックにもネタを仕込んでいた説
しばらく話すと、さやちんとてっしーは三葉を心配して昨日の話をし始めます。当の本人は何が起こったのか知らない状態ですが。よく聞くと、宮水家の朝食風景のときは「昨日はヤバかった」という情報だけでしたが、ここでは何かに取り憑かれたようなことがあったという情報が追加されます。
その先を聞こうとしますが、またしても会話が遮られてしまいます。町長選挙の演説です。演説の話題の前に、一つ見ておきたいことがあります。すれ違いで走っていく軽トラックについて。ナンバーは42-7、意味があるナンバーか否かは分からないですが、このシーンは7分42秒のシーンです。もしかするとそういう意味かもしれません。
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さて、町長選挙の演説、演説カーの前で話す宮水としき氏です。選挙日は10月20日なので1ヶ月以上前から演説しています。選挙1ヶ月以上前なので選挙ポスターの掲示板にはまだ1枚もポスターが貼られていない状態です。
宮水氏のすぐ右側に立つ男性、てっしー父はこの時既に登場していました。この人がてっしー父と分かるのはもう少し後のことですが、てっしーが演説している場所を通る時に自転車を押して歩いているのは父親の目を気にしたためだと思われます。
今回のまとめ
・てっしーとさやちんがホント微笑ましい。
・軽トラックにもネタが仕込まれていた可能性。
・昨日の出来事に関する情報がほんの少しだけ増えた。
7. ニュースと登校中に潜む伏線(6:03〜7:02)
宮水家の皆さんがテレビを見始めるところから、宮水姉妹が登校中に糸守湖を一望するところまで。
今回のポイント
何気ない日常に隠れる伏線らしき情報。
彗星に触れるニュース番組に触れずに…
町役場からの放送を聞かずにテレビでニュース番組を見始める宮水家です。ニュース番組ではティアマト彗星について触れられています。しかーし、本解析ブログにおいては敢えてテレビの下に置かれた機械について触れます。
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テレビの左下にピンク色の何かが置かれています。おそらくこれは2012年9月27日発売の、ニンテンドー3DS LL ピンク×ホワイト(以下、3DS)が基になっているゲーム機です。3DSは、本体背面にカメラを2つ備え付けることで3D画像の撮影を可能にしています。
本編に登場する機械を見てみると、カメラらしき黒い部分が2つ存在します。またテレビ右下の雑誌とサイズ比較をすると、普通サイズの3DSではなさそうです。さらにこのシーンの日付は2013年9月3日(多分9回目くらいの記事で書きます)なので、NEW 3DSでもないと言えます。
誰の3DSなんでしょうね?持ってるソフトウェアはどうぶつの森かな?などという妄想ネタにどうぞ(?)
やっぱりニュースの内容に触れます…
やはりニュースにも触れておきます。。。ティアマト彗星、肉眼で見える1ヶ月前から話題になっています。やはり1200年ぶりの現象は大変な出来事なのでしょう。勿論、物語の上でも大変な事になるわけですが。
ニュースでは彗星の軌道を10日ごとに説明しています。最も地球に近づくのは10月4日。この段階で既にXデーが提示されていました。夢の中での入れ替わりは、1ヶ月程度の間に起きる出来事ということも汲み取れるようです。
このティアマト彗星の「ティアマト」ですが、神話に登場する海の女神の名前だそうです。なぜ彗星に海の女神の名前を付けたのか…劇中に海は出てきていない筈ですので、どのような意味があるのか気になります。ご存知の方や見解をお持ちの方はぜひ教えていただきたいです。
…そんなニュースが流れる中、妹から仲直りを勧められる宮水家です。宮水家の家庭事情は61〜63回目辺りの投稿で触れると思いますが、四葉が幼き頃の出来事による仲違いのため怒りが殆どないのか、精神的に寛大なのか。。。私の中では四葉がどのような心境なのか断定できませんでした。
爽やかな朝の登校シーン
三葉が髪をまとめるシーン。回想やオープニング以外で組紐が初登場です。関係ないですが三つ編みしている三葉の唇が艶めかしいです。特徴的な髪型になりますが、なぜこのスタイルが選ばれたのでしょう?個人的には可愛いからそれでOKです。
三葉と四葉が登校するシーン、家を出て右に曲がります。前回の記事に書きましたが宮水家は糸守湖の北西あたりに建っていて、三葉の高校は糸守湖の南側にある(後で作中で図示されます)ので、進む方向として矛盾はありません。前回の宮水家の所在解析が合ってそうな感じがします。
2人が並んで登校する道中、階段を下る道があります。
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このシーンですが、おそらく若干伏線が入っています。後々、「この場所にいるということは登校中だ」ということを連想させるシーンが出てきます。本当に何気ないシーンですが、この場所が結構(個人的に)心にグサッとくるシーンの始まりになるのです。
今回のまとめ
・何気ないお茶の間、登校のシーンに後で意味がある情報が含まれている。