【君の名は。】を17回観た痕跡
映画【君の名は。】を17回観るほどにテーマに共感した的なことを最初の投稿で書いたのですが、見た回数なんて適当言ってもそれっぽいよな〜と思ったので、何か17回観たという痕跡が無いか探してみました。
ありました。
捨てずに取っておいた映画の半券がありました。我ながらビックリです。それがこちら。
初めて観たのは2016年9月6日。公開開始から少し経った頃です。この日に大きな衝撃を受け、翌日7日にすぐ2回目を観に行きました。その後はまあまあの頻度で観てますね…9月だけで6回か…
私の場合は「ストーリーに感動したから」という理由では何度も映画を観ることは無いと思います。そうではなく、映画の主題やメッセージ・テーマに共感したり心を打たれたりし、それが当時の自分にどストライクだったため何度も【君の名は。】を観ていたのだと思います。
DVDが発売され、これで細かい所まで観ることができる!と思いましたが、まさかココまで細かく観ることになるとはDVD購入当初は思ってもいませんでした。どの程度のペースになるか分かりませんが、今後もよろしくお願いします。私視線の解析、時々ただの感想により、私らしい解析ブログを書いていきます。
6. 宮水さん家と横乳と鳥(5:00〜6:03)
三葉と入れ替わった瀧が鏡の前で絶叫するところから、町長選のお知らせが流れるスピーカーのコンセントを抜くところまでです。
今回のポイント
日の光と鳥から読み取れることがある。
日の光が示すこと
寝巻を脱いだJKのパン1姿から再開です。足元から頭に向かってスーッとカメラが動きます。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
少し横乳が拝めます。ありがとうございます。多くの人が鏡側に映ってほしいと願うであろう部分は日光の反射で見事に隠されています。日光の描写は鏡だけでなく三葉の腰付近にも反映されています。本当に作画が素晴らしい。
今回は"解析ブログ"感を出すべく(?)、三葉の部屋の窓はどの方角に向いているか、そして宮水家は糸守湖のどの辺りに存在するかをこのシーンから解析します。やばそうな感じがします。
まずは三葉の部屋から。窓から日の光が入り込んでいることから、太陽との位置関係を考えます。太陽はバカボンの歌によると西から昇って東に沈むので三葉の部屋の窓はおおよそ西側…ではなく、太陽は東から昇るので窓はおおよそ東側でしょう。更に鏡にダイレクトに日光が当たっていることを踏まえると、窓は気持ち南東向きになっていると推測できます。
続いて宮水家の所在。三葉の部屋の窓がどの方向を向いているかが分かれば自ずと所在は分かるのですが、実はこの段階で我々は答えを得ています。夢灯籠で東京の風景→糸守湖の風景に移るシーンでは、湖を超えて一直線に三葉の部屋にズームアップされます。つまり三葉の部屋の窓からは糸守湖が見える!ということになります。三葉の部屋の窓は南東向きで糸守湖が見える。
ここから出る答えはそう、宮水家は糸守湖の北西に位置しています。ほんのり他の施設や建物との位置関係が分かりますね。
一瞬で翌日のシーンへ
三葉になった瀧が鏡に映る姿に驚いた直後、唐突にトマトが切られます。本当に唐突です。この唐突さ、おそらくトマトが切られる前後のシーンで日付が違うという印象を強めているのではないかと思います。場面同士に関連があると連続性が生じ、トマトを切る場面は三葉が驚く場面と同じ時系列だと捉えられてしまうのかなぁと思います。
実際この後三葉が朝ご飯を食べ始めますが、「昨日はヤバかった」と四葉と一葉さんに言われるので日付が変わっていることはここで把握できます。
「食べ過ぎかな?」と言ってから茶碗にご飯をよそう三葉。確信犯ですね(爆)。
さて、四葉に「昨日はヤバかった」と言われて気になる三葉ですが、町役場からの放送で話が遮られてしまいます。瀧との入れ替わりが起こった時の話を聞けず終いでした。宮水家の中でどんな感じだったのかは聞いてみたい気持ちがありますが、いきなり話してしまうと早々のネタバレになるため、演出上触れさせなかったのではないでしょうか。
鳥だ!
宮水家の会話を遮った町役場の放送は、来月の町長選挙に関する内容です。それを聞いてスピーカーのプラグを抜いて音を出さないようにしました。複雑な家庭環境が滲み出るシーンです。
そのシーンの直前、屋外スピーカーの周りを鳥が2羽、それぞれ時計回り、反時計回りで飛んでいます。深読みし過ぎとは思いますがここについて書きたいと思います。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
前から述べているように左側が未来、右側が過去を表すということを前提に考えます。最初に左側にいる鳥は反時計回りで飛び、右側にいる鳥は時計回りで飛びます。時計回り、反時計回りは時間が進むか遡るかを表すと考えると、未来側の鳥は時間を遡り、過去側の鳥は時間を進めています。これが示すこと、それは鳥たちが瀧と三葉のことを暗に表現しているということです。果たして本当にそうなのかは分かりませんが、そんな演出もあり得るかな?と思いました。
今回のまとめ
・宮水家の所在は糸守湖の北西あたり。
・入れ替わりシーン直後に翌日のシーンになるのは早々のネタバレ防止。
・鳥たちは瀧と三葉を連想させる。
5. 女になったらどれ程揉みしだくだろうか(4:00〜5:00)
皆様お待ちかね、三葉が飛び起きてから寝巻を脱ぐところまでです。
何の補足になるか分かりませんが、書いている解析・考察内容については正解・不正解は置いといて、ホントに真面目に考えた結果ですよろしくお願いします。
今回のポイント
女体化しても胸を揉みしだくことしかできない。
目覚めた瀧
電車で瀧と三葉が出会った回想がブツ切りになって三葉は飛び起きます。いや、三葉がと言うより瀧がと言うべきでしょうか。突然女性との出会いの夢を見て何か引っかかるものがあったのか、結構息が荒い状態です。
冷静になり、部屋を見渡します。その後胸の重さを感じたのか、自分の胸元を見ています。ここで胸の重さを感じたと言える根拠は、胸を見る直前に「ん?」と言った時の目線です(下図)。少し正面に目線は動いていますが、完全に胸は見ていません。つまり胸に何か違和感を感じている→重さを感じていたということになるでしょう。三葉は一体何カップなのでしょうか。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
さて、この後三葉(と入れ替わった瀧)は結構な勢いで胸を揉みしだきます。但しやらしい意味ではなく、明らかに自分の身体に違和感があるからという意味でです。多分。。。しかし、本当に身体に違和感があるならば、胸より下にもっと違和感がある箇所があるはずです。そうに違いない。むしろそうであってほしい。
しかしソコには手を伸ばさない。何故か?その理由は推測ではありますが、簡単に言うと大人の事情でしょう。どう考えても胸より下の違和感に手を出したら【君の名は。】がR-18作品になってしまいます。仕方ないです。
また、ここの服装に注目すると三葉はノーブラで寝ているようです。ここだけ見ると、そういうスタイルで寝る人と捉えますが、後々の演出の為に「敢えてノーブラで寝る人」という設定にしているように思います。この話題はおそらく33回目or34回目の記事で書くことになると思いますので、結構お待ちください。。。
妹:四葉の登場
胸より下に手を伸ばさない代わりに、この先を含めて瀧は胸をとてつもなく揉みしだいてくれます。ありがとうございます。そんな最中に妹の四葉が登場、朝ご飯の為に起こしにきてくれました。このシーンを含めて四葉が起こしに来るシーンが4回ありますが、起こしに来る時の四葉の髪飾りに注目しておいてください。何かがあります。その何かが何かは分からないですが…。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
この時、四葉の呼び掛けがあっても三葉は胸に夢中です。しかしある程度揉みしだいたところで、やっと四葉の呼び掛けにも違和感を感じたようです。その時の表紙が、一瞬冷静になったような表情で、良い顔しているんですよ〜。そこだけ切り抜いて「ん?」という台詞を言わせるLINEスタンプがあってもおかしくないような表情です。(代わりに「え?お姉ちゃん?」の台詞部分のスタンプはありますね)
真っ直ぐ鏡に向かう
四葉が引き戸をピシャッと閉めて静まり返る部屋。 三葉は起き上がり、鏡に一直線に向かいます。向かうときに顔が見えるからそこで驚いても良さそうな気もします。しかしここではわざわざ寝巻を脱いで自身の身体を確認します。それは、胸を揉みしだくときの台詞で「本物っぽいなぁって」とありましたが、まだ本物と確信できていないため。手の感触だけでは身体に変化が起きたと断言できなかったのだと思います。
JKのパン1姿、放映倫理に引っかからないことを知りました。ありがとうございます。
ということで、今回は脱いで終わりです(爆)
今回のまとめ
・大人の事情で胸を揉む以外できない。
・三葉はノーブラで寝る派(後々意味が出てくる)。
・四葉の髪飾りに注目。
4. 2人の出会いの回想シーンが好き(2:53〜4:00)
前回の夢灯籠の続き〜三葉が起きるところまで。
今回のポイント
掴んでしまうと話が終わる。
何を掴もうとしていたか
瀧のアップ→瀧が住むマンション→東京の風景→糸守の風景→三葉の家→三葉のアップと続くシーンから。この一連の流れから私が捉えたのは、瀧が何かに気付き視線を動かし、その先には三葉がいて、三葉も何かに気付いた、というイメージです。その何かとは夢の中で入れ替わっていた相手のことです。
これはストーリー終盤で四葉に避難を促すときに、三葉に入れ替わった瀧が御神体の方から何かを感じたあの場面に近いものを感じます。
次のシーン、2人はそれぞれ街中、広場で手を伸ばします。何かを掴もうとするかのように。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
何を掴もうとしているのか、それは2人が求めているもの。冒頭の語りの部分でも触れましたが、求めているものは夢の中で入れ替わっていた相手です。
さらに注目すべきは2人がどちらの手を伸ばしているかです。瀧は右手、三葉は左手を伸ばしています。瀧は過去にいた三葉を求めるため右手を、三葉は未来にいた瀧を求めるため左手を伸ばします。まだ開始4分ですが、左右を気にせずにはいられなくなってきました。
そして、2人は微笑み走り出します。微笑んだのは、求めていたものを掴めたからでしょうか?その答えは直後の走り出すシーンの組紐が示していると思います。組紐があるということは、そこに「結び」が存在します。やはり2人が微笑んだのは、求めていたものを掴めたからと考えます。
このシーンでは以下の動作がありました。
・手を伸ばす。
・微笑む。
・走る。
これらの動作、順番は違いますが別のシーンと類似していると思いました。それは、かたわれ時になる直前。こちらでは走る→手を伸ばす→微笑む の順ですが、その辺りを意識しているのではないかと思います。
以上、夢灯籠のシーンでした。
回想シーンのブツ切り
さあ、ついに三葉が目覚めます。ここまで来るのが結構長かったです。
スマホのアラームが鳴り響きます。朝がつらいです。このスマホ、デザインを見るにおそらくiPhone5が元になっているかと思います。推測ですが、このシーンは2013年9月2日です(理由は9回目くらいの投稿で書きます)。そしてiPhone5の発売日は2012年9月21日。ちなみにiPhone5の次の機種であるiPhone5Sと5Cは2013年9月20日発売でしたので5Sと5Cではなさそうです。
スマホから離れまして、、、三葉は夢の中で、瀧と電車で出会った時のことを回想しています。この段階で、すでに瀧と三葉が出会いを果たしていることを提示しています。しかし2人が繋がっているわけではないです。(繋がっていたら物語が終わってしまいます…)
三葉は名前を叫びながら、髪をまとめていた組紐を瀧に投げ渡します。そして瀧がそれを掴もうとするその瞬間、三葉は目覚めて回想はブツ切りにされます。そう、物語の進行を考えると瀧は絶対にここで組紐を掴んではいけないのです。何故ならこの時点で瀧は入れ替わる事実を知らず、そこに結びはまだ存在しないから。結びが存在してしまうと、ここから話は続かなくなってしまいますし、続ける必要がなくなってしまいます。因みにこの回想シーンは後でもう一度出てきますが、そちらでは途中でブツ切りされることはありません。
このシーン、個人的に特に好きな演出の一つです。
今回のまとめ
・オープニングは所々ストーリーを表現している。
・最初の回想シーンで三葉が投げた組紐を瀧が掴むと話が進まなくなる。
3. 背中合わせの2人のシーン×3回(1:48〜2:53)
オープニング曲はRADWIMPSさんの夢灯籠でお送りしております。今回は歌の始めからBメロ直前まで。
今回のポイント
立ち位置による過去の未来の関係。
BPM変化あり
夢灯籠、最初はBPM=170(85?)ですが、ドラムが入ってくるところからBPM=180になります。計測ミスってたらすみません。音ゲーやってる人からすると、この10の差が辛いです。どうでもいい情報ですが私はDDRが好きです。
歌詞はリンクを貼らせていただきます。
満を辞してタイトル表示
歌唱スタートと同時に【君の名は。】のタイトルが大きく表示されます。ここでニクい演出と思ったのが、「消える」という歌詞のところでタイトル文字が消えます。歌詞ピタ演出好きです。(歌詞が「消えることなく」と続くことには触れない)
背中合わせの2人
瀧(中学生ver)と三葉(ロング髪ver(可愛い))が背中合わせになっているシーン。直後に瀧(高校生ver)と三葉(ショートver(超可愛い))に変わります。以下、前者のシーンを「シーン①」(下図)、後者のシーンを「シーン②」と表します。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
2人の立ち位置に注目してみます。前回の記事にも書きましたが左側が未来、右側が過去を表します。未来に生きていた瀧が左側、過去に生きていた三葉が右側に立っていますが、この立ち位置は必然と言えます。
シーン①から②に変わるとき、瀧は3年の変化があるので身長が伸びています。一方三葉は恐らく1日の変化しかないので身長は変わらず、代わりに髪型が大幅に変化しています。なお、身長や髪型以外にも大きく変化したものも存在します。それは互いの存在の認識です。
シーン①では瀧目線では入れ替わりが起こっておらず、三葉が一方的に瀧を知っている状態でした。シーン②では入れ替わりが起こり、互いの存在を認知している状態です。
この象徴として描かれているものがあります。組紐です。シーン①から②に変わるとき、2人を取り巻くように組紐が現れます。ストーリーの中盤で説明がありますが、組紐は「結び」の象徴です。シーン①では入れ替わりが起こっていないので組紐が現れていたらおかしいですし、シーン②で組紐が現れていながら2人が互いを認知していないのもおかしいです。組紐が結びを表し、2人の関係を表しています。
組紐を握りしめる右手
着物姿で座り込む三葉が組紐を握りしめる描画、ここが他に比べて異様に滑らかです。意図的にfps(1秒あたりのフレーム数、絵の枚数)を上げてると思うのですが、理由を解析できず。。。
組紐を握りしめる点については、思い出せないあの人との「結び」を取り戻したい、若しくは大切なあの人との「結び」を忘れたくないということを示しているのではないかと思います。一瞬、手に何かを書くシーンが映ることがヒントになっています。
背中合わせの2人再び
青空の下で2人が立っているシーン。のこでの立ち位置は瀧が右側、三葉が左側です。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
立ち位置だけを考えると未来と過去の関係に矛盾がありそうですが、2人が見つめる先を考えると問題ないと思われます。2人が見つめる先は恐らく「探し求めている人」。ほんのり空を見上げるようなところから、こう感じました。瀧は右、三葉は左を見ていますが、互いに探している人は後ろにいる状態。更に上手い具合にRADWIMPSの文字が2人の間の隔たりになっています。交わることができず、何とも言えぬもどかしさがあります。
背中合わせの2人と時の流れ
2人が背中合わせで、電車で初めて遭遇してから大人になるまでの変化を徐々に映すシーン。よく見ていると、あるタイミングで背後にいるもう1人がフェードアウトしています。そのタイミングは、2人が「かたわれ時」の服装になったタイミングです。2人は「かたわれ時」が終わった頃から互いの記憶が薄れています。そんな状況を示唆しているのがこのシーンです。また、「かたわれ時」の服装から大人に変わるところの表情の変化も注目すべきポイントです。何かを失ったような感覚はこの頃から感じ始めたのですから。
今回のまとめ
・瀧は左側、三葉は右側にいるのは必然。
・ストーリーを踏まえて見ると、意味ありげな演出多し。