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61. 最後の希望の口噛み酒〜一旦未成年飲酒の話は無し〜(59:58〜1:01:00)

なんと10ヶ月ぶりの更新となってしまった!ごめん!!!でも続くよ!!

 

瀧が最後の期待を賭けて口噛み酒を飲むシーン。

 

今回のポイント

過去に戻ろうとしているのに左(未来方向)を向いている。

 

口噛み酒を手にする瀧

三葉の口噛み酒が入った瓶子を手にしながら、3年前の三葉と入れ替わっていたということを述べています。52回目の投稿の段階で彗星の事故は3年前に起こっていたことが分かっていますが、改めて入れ替わっていた相手がいつの時代の人物だったのかを確認すると同時に、視聴者にもそれを伝える役目を果たす、いわゆるメタ発言としてここのセリフがあるように思います。この後、3年前の事故を阻止する展開があるため、この設定を分かっておいて欲しいという作者の意図がありそうです。ないかもしれない。時間がずれて入れ替わりが起こっていたということを踏まえ、SF的展開が始まります。

瓶子の苔を取り、組紐をほどき、中の栓を抜きながら、口噛み酒が三葉の半分であることを言っています。前回もそうですが瀧は「三葉」とはいっておらず「あいつ」や「(あ入れ替わっていた時の)俺」と言っています。御神体に辿り着いたことも記憶の断片を辿ってのことでしたが、「あいつ」の名前は思い出せていない状態です。55回目の投稿の段階から後では三葉の名前を言っていません。設定がかなりキッチリしています。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

 口噛み酒を注ぐと結構綺麗な透明な液体のようです。瀧はおそらく口噛み酒という名前は知っていても、唾液から出来た酒という事実はおそらく知らないでしょう。ちなみにここでスマホのライトで手元を照らす瞬間、画面上に時刻が表示されています。13時代のようで、朝早くに出発しても昼過ぎの到着になる程度に宿から遠かったようです。

 

口噛み酒を飲む

口噛み酒を飲む直前、瀧は「むすび。本当に、時間が戻るなら、もう一度だけ」と言っています。「むすび」と言っているのは、時間の流れもそうですが36回目の投稿でも触れているように水、酒など様々な物が体に入り魂と結びつくこともむすびだと一葉さんは言っていて、瀧はそれについては覚えていたようです。つまり、三葉の半分である口噛み酒を瀧が体内に取り込んで魂と結びつけることにより、三葉が存在していた時代に飛びたいという意思や期待が込められたセリフだと思います。「時間が戻るなら」は、一葉さんがむすびの説明で「時には戻って途切れまた繋がり」と言っていて、隕石の事故により一旦途切れた三葉の時間に戻りたい、もう一度つなげたいという気持ちが籠もっているように思います。

そして飲酒。ここで未成年飲酒になるかならないかが気になるところですが、映倫の審査通ってるなら大丈夫でしょう。一応調べてみたら、wikipediaの記事に10日ほどでアルコール度数9.8%の酒が出来ていたという実験の記載がありました。しかし3年経過してアルコールが抜けていたという可能性も考えられます。際どいところです。

未成年飲酒については一旦置いておくとして、瀧が口噛み酒を呑みます。さて、ここでお得意の左右についての検討をしてみます。前回から基本的に瀧は左方向を向いた状態で話したり口噛み酒を飲んだりしています。再々している説明ですが左が未来、右が過去なので瀧は未来の方向を向いて各所作をおこなっていました。過去に戻ろうとしているのならば右向きの方が適切では?と思うかもしれませんが、おそらくここでは、三葉が助かっている世界を望んでいて、そんな未来を見ているから左向きなのだと思います。最後の期待を賭けているのに未来を見ることができなかったらそれはきっと絶望でしかないでしょう…

瀧が口噛み酒を呑み一呼吸おき、立ち上がったその瞬間、足を滑らせて転びます。右方向に倒れていくのは過去の三葉と入れ替わる前兆と捉えて良いかもしれません。ここで走馬灯の如くスローモーション描写。目の前に広がるのは彗星の景色で、その彗星は二つに割れています。

 

今回のまとめ

・セリフで視聴者に状況説明している。

・三葉の名前は思い出せていないが、むすびについては思い出している。

・三葉のいる世界への希望を持っていることが未来方向の左を向いている理由。

 

 

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