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64. 悲しく鳴り響く風鈴〜口噛み酒トリップ最終章〜(1:03:01〜1:04:03)

口噛み酒トリップが始まって3回目の記事です。なかなかボリューミーなトリップです。

今回のポイント

さりげなく映り込んでいる風鈴。 

流した涙の末に

前回の最後、瀧と奥寺センパイがデートする日に羨ましがりつつ涙を流す三葉のシーンは40回目の投稿で出てきていました。このとき記事では「瀧が他の女性とデートすることに対して嫉妬している、あるいは失恋に近い気持ちになっている」と書いていました。(三葉は奥寺センパイを好きで瀧に取られて悲しんでいる説もありました)。ここからその後の様子が描かれています。

三葉は登校中、四葉に「東京に行ってくる」と言い残し東京に向かいます。その目的は・・・また74回目くらいに。

この様子をみた瀧、反時計回りに回転しつつ右手を前に伸ばします。反時計回りということは時間のを巻き戻すイメージ、過去の三葉を取り戻そうと手を伸ばしていることをより印象付ける効果があるかと思います。

東京から帰ってきたタイミングだと思われる三葉、俯きながら一葉さんにお願いがあると話しかけます。このときの月影をみると、三葉の腰あたりから上に影が掛かっています。悲しい出来事があったことによる暗い気分を、表情に影を重ねることで色濃くしているのかと思います。

そして断髪。43回目の投稿でてっしーとさやちんの前に短髪姿で現れましたが、東京から戻ってきたタイミングで切っていたようです。

揺れる風鈴の存在

風鈴の音と共に「そっか、彗星…」の一言。この後てっしーからお祭りの誘いがあったときに、ティアマト彗星が最も近づく話も挙がっていたのでしょう。浴衣姿に着替え、鏡を見ながら短くなった髪の毛を弄る三葉。鏡には風鈴が映り込んでおり、鏡の向こう側が瀧がいる側の世界(?)になっているようです。その瀧側から三葉を見るアングルに変わりますが、ここでも風鈴が映っていてそこにズームしていくようにも見えます。

ここで瀧は街から逃げるように三葉に訴えかけます。これは鏡に風鈴が映り込んだタイミングからです。風鈴が揺れている様子が映るのは風が吹いていることを表現したいということになると思います。以前にも書きましたが風が吹くのは何かが起こる前兆で、ここではまさに彗星が落ちる前兆を意味するでしょう。

風鈴が登場するのはここが初ではなく、43回目のてっしーが三葉に電話をした時に既に姿見に写る風鈴が登場しています。この後三葉はてっしーとさやちんと合流し、風が吹く中彗星を眺め、そのタイミングでこのシーンは終わります。既に風鈴の音は、口噛み酒トリップで分かったように東京で何か悲しい出来事が起こったこと、そしてその後彗星が落ちることの前兆を意味する役割を持っていたように思います。

必死に訴えかける瀧

三葉に向かって、街から逃げるように必死に訴えかける瀧。振り向くと、白い周囲の一部から広がるように、彗星が落ちようとしている光景が見え始めます。この時の瀧の周囲には赤い紐がぐるぐると渦巻いています。口噛み酒トリップによる三葉の記憶の追体験というむすびを強調する表現に思えます。

一瞬ですが、その赤い紐の端が、彗星が落ちる光景が広がるのに合わせてそちらの光景に伸びていくように描かれているようです。2分前の口噛み酒トリップ前編を思い出すと、赤い紐は元々割れた彗星の軌跡として描かれているので、彗星の元に戻っていくという描写は自然かもしれません。

訴えかける瀧に反して44回目の投稿のように広場で彗星を見ています。ただ44回目の時と異なるのは表情。今回は目の前で彗星が割れて飛散している光景を目の当たりにしている状況で、恐怖・不安・困惑など様々な感情が混じったような表情をしているように私は見えました。

風が吹き荒れる中、遠くに彗星の破片が落ちていき、瀧が三葉を最も強く呼びかけるタイミングでカメラは頭上に向きます。そこには巨大で青白く光る彗星の破片が。瀧の叫び声とは裏腹に、自然の脅威に太刀打ちできない様子をまざまざと見せつけれるようです。そして三葉の目には彗星が映り、キーンと大きく高い音が響きながら画面がブラックアウト。44回目の投稿でも登場した表現です。その時に「どういう意図なのかはその時にでも。」と3年前の私は書いていたようです。丸投げかよ。おそらくキーンという音は三葉の命の音ではないかと思います。彗星が落下する音のようにも思えますが、それならもっと重々しい音になりそうな気がします。あくまで私の予想なので現時点で特に根拠はない状態です。

糸守での目覚め

画面ブラックアウトが5秒弱続くと、三葉がハッと目を覚まします。髪は短い状態、東京へ行って帰ってきた次の日の朝ということになりますね。瀧と奥寺センパイのデートは42回目の投稿で書きましたが2016年10月3日(月)だったので、この翌日の3年前、すなわち2013年10月4日(金)に三葉が目覚めたことになります。この後の展開からもわかりますがこの日に彗星が落ちるという情報からも日付は合っていると思います。

目覚めた三葉、もとい入れ替わった瀧は勢いよく起き上がり、震える手を見ます。三葉がまだ生きている時間軸に入れ替われたことによる驚き、三葉が生きている喜びなど、ここでも様々な感情が入り乱れながらも嬉しい感情でいっぱいになっています。震え泣きながら自身を抱きしめるほどに。

口噛み酒トリップの末、瀧は生きている三葉と入れ替わることができました。物語はここから佳境へ・・・!

今回のまとめ

・東京に行った三葉に何かあった。

・風鈴の音が何かが起こる前兆を示す。

・瀧は彗星が落ちる日の三葉と入れ替わった。