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62. 彗星落下の物語〜始まりの口噛み酒トリップ〜(1:01:00〜1:02:02)

ごめん!また10ヶ月空いてしまいました!続きます!

今回は瀧が転んだ直後の口噛み酒トリップから。

今回のポイント

割れた彗星の軌跡が赤い。

彗星の軌跡の奇跡

足を滑らせて転んだ瀧、その時目の前には二つに割れた彗星の光景が広がりました。ここから様々な記憶が交錯する口噛み酒トリップのシーンが始まります。

割れた彗星の片方が赤い軌跡を描き、紐のようにうねりながら進んでいきます。赤い軌跡は組紐、つまり「むすび」の象徴で、この彗星から物語は始まっているように思います。この理由は二つ下の段落で。

この時に後ろで流れている効果音、おそらく薪が燃えてはぜる音のようですが、本作で薪が燃えているシーンというと15回目の投稿でも触れた儀式のシーンで(以前の記事には火について書いてませんでした…)、儀式と彗星落下を関連付けるために効果音が付けられたのではないかと思います。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

次に水が滴る音が鳴り響く中、瀧が水に落下するシーン。右手首からは赤い紐=割れた彗星の軌跡の先端が伸びています。彗星が進む方向とは逆側に瀧がいるようですが、瀧が水に落下するのはこれから彗星が落下することの暗示、そして彼から伸びる赤い紐はむすび、すなわち時の流れを表し、何年も前の彗星落下から次の彗星落下まで時は流れてつながっていることを示しているように思います。この描写が、先ほど「彗星から物語は始まっている」と書いた根拠です。また、瀧が水に落下する表現は彗星落下の暗示の他にも、生命の誕生の表現にも繋がってくるのではないかと思います(後ほど登場予定)。

彗星が龍に

瀧の手首から伸びた赤い紐(=彗星の軌跡)を辿ってカメラワークが進み、水中から出たような表現のタイミングで赤い紐が青い龍のような表現に変わります。そのまま天高く上っていき、改めて割れた彗星の落下の様子が描かれます。龍というと、15回目の投稿の儀式の時に使用されている道具の飾りが龍の形になっています。これはこの口噛み酒トリップのシーンの如く、先代の方々が彗星を龍のように見立て、祭りの文化を作ったからではないかと推測します。

彗星は速度を上げて落下し大気圏に突入、そのまま日本列島に落下します。落下地点は能登半島の南のほう、岐阜県の高山あたりです。彗星が落下した時、水面に石が落ちたように波紋が広がり、彗星自体は水中に沈んでいくように描かれています。以前にも書きましたが波紋は「周囲への影響」を表していて、この彗星落下がきっかけで離れた地の人物同士の物語が始まっているということの表現ではないかと思います。

水中に沈んで行った彗星は細胞のような見た目に変わり、分裂をしていきます。そしてその後二葉さんと彼女から生まれた直後の三葉の姿が描かれています。

ここまであまり上手く纏められていませんが、彗星落下と三葉誕生がむすびという時の流れでつながっているということではないでしょうか!?

今回のまとめ

・口噛み酒トリップで彗星の景色が広がった。

・祭りの儀式で出てきた龍の飾りは彗星の軌跡が基になった。

・彗星落下から現在までがむすびでつながっている。

 

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