【君の名は。】を1分ずつ解析する!

【君の名は。】を1分毎に解析・考察してみようと思ったらすごいことになってる

35. この世はむすびでできている〜君の名は。の主題はココにある〜(34:06〜35:07)

むすびって知ってるかい?

 

今回のポイント

むすびの説明。

 

一葉さんのありがたきお言葉

御神体への道中、一葉さんは三葉と四葉に語りかけます。むすびを知っているか、と。むすびとは古い言葉で土地の氏神様のこと。むすびに深い意味があるとのことです。

三葉と四葉は、突然一葉さんが語り出したのに驚いているのか、なんか不思議な表情を見せています。一葉さん、作中で定期的に超重要情報を教えてくれます。今回のお話は特に重要で、個人的には本作の主題は「むすび」で、この1分は主題に関する説明だと思っています。

 

むすび とは

むすびと一言で言っても、様々なことに対してむすびと言うことができるようです。糸を繋ぐことも、人が繋がることも、時間が流れることもむすび。これら全て神様の力だと一葉さんは言っています。そんな話をしている時、三人が進む方向は右から左、過去方向から未来方向です。時の流れがむすびと言っているのに、そのタイミングで時を逆走するのは良くなさそうです。

f:id:jugglertaku:20180204200044p:image

©︎2016「君の名は。」製作委員会

 

組紐も時間の流れを表しているようです。この話の時には色とりどりの組紐が出てきて、左下から右上の方にカメラが動きます。組紐を川のように見立てると、下流(未来側)から上流(過去側)を眺めているようにも見えます。

 

むすびを意味する紐と川

寄り集まって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って途切れ、また繋がり、それがむすび、それが時間。

©︎2016「君の名は。」製作委員会

一葉さんのこの説明もですが、それに対応するように描かれている内容も深い表現がされています。先の説明の、『〜絡まって』までは組紐を作っている様子が描かれます。寄り集まり、捻れて絡まるシーンが説明に合わせて描かれていますが、この後からは急に変わって川の描画になります。先にも説明したように組紐は時間の流れを表していますが、前回の投稿の内容で川の流れも時間の流れを表しているのでは、と触れました。急に組紐から川に描写が変わっても、表現していることは共通ということになります。

さて、『時には戻って』のところで川で流れる落ち葉が流れに逆らって進みます。落ち葉が人を表すということも前回の投稿の内容で触れましたが、ここは瀧が過去に生きる三葉と入れ替わっている暗示かなと思います。そうでなくとも、人が過去に思い耽ることもあるよねという表現がなされているとも思います。どちらかというとここの説明は入れ替わりの説明よりもむすびの概念の説明なので後者寄りの意図が強いような気がします。

この後『途切れ、また繋がり』と続きます。『途切れ』の説明の時には木から落ちる葉が描かれています。木には多くの葉があるので、それ一帯が人との繋がり、「コミュニティ」を表しているのではないかと思います。しかしそのコミュニティから離れてしまうこともしばしば。。。これが『途切れ』に含まれる意味合いかと思います。しかし途切れても『また繋がり』とあるように別のコミュニティに属することもモチロンあります。今回の描画では、川には既に多くの落ち葉が浮かび、そこに木から落ちてきた葉が加わるような描画になっています。さらに、着水した落ち葉は水面に波紋を作り出し、周囲の葉を揺らしています。波紋は「周囲への影響」を意味し、他から新たに加わった人もそのコミュニティを動かせる、いわゆるインフルエンサーになれるということや、そこまで大それていなくとも何かしら周囲の人との繋がりは作れるということを示唆しています。

そんな言葉と描画による説明がありましたが、これがむすび、時間というものです。ちなみにこの1分間の間に三人が右方向に進む描画は一切ありませんでした。時には時間に逆うとしても、基本は一方通行なのですから…

 

今回のまとめ

・むすびは元々氏神様のこと。

組紐や川は時間を表す。

・言葉だけでなく描画でも説明している。