2. "何故か"泣くのは主人公の2人だけ(0:53〜1:48)
キリを良くするため、ジャスト1分ではなくなります。
今回のポイント
"何故か泣いている"ときに向いている方向。
2人の語り
冒頭の語りで約1分です。内容を文字に起こしてみます。赤文字が三葉、青文字が瀧、緑文字が2人の語りです。
朝、目が覚めると、何故か泣いている。そういうことが、時々ある。
見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。ただ、
ただ、何かが消えてしまったという感覚だけが、目覚めてからも、長く、残る。
ずっと何かを、誰かを、探している。
そういう気持ちに取り憑かれたのは、多分、あの日から。
あの日、星が降った日、それはまるで、
まるで、夢の景色のように、ただひたすらに、
美しい眺めだった。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
初っ端から2人は泣いています。何故でしょう?
目覚めによる夢の喪失感だけでは流石に泣けないと思うので、夢以外の何かに対する喪失感を覚えていると考えられます。ただ、彼らはその"夢以外の何か"が思い出せない。視聴者がストーリーを知っていると胸が苦しくなるやつです。
喪失感、それは夢の中で入れ替わっていたあの人の事。星の降ったあの日から数年経ち、夢の中で入れ替わってたことを忘れているが、ほんの少し、心に引っかかっている状態です。
泣いている2人に注目すると、瀧は右を、三葉は左を向いて泣いています。
©︎2016「君の名は。」製作委員会
私の出身大学のとある講義で聞いた話のため出典が書けないのですが、基本的には左は未来、右は過去を表しているそうです。それを踏まえて2人の向きを見てみると、瀧は過去、三葉は未来の方向を向いて泣いています。大人時代では2人は同じ時を生きている筈ですが、高校生の頃(夢の中で入れ替わっていた頃)に探し求めていた相手が未来にいたか過去にいたかを考えると辻褄は合います。探している誰かは分からないですが、2人の向きは探し求める誰かが生きている時代を表しているのではないかと思います。
その後三葉が冷蔵庫を開けながら髪を掻き上げます。可愛い!
現在と回想
その後は東京での通勤風景。なんとも強制的に現実を見せつけられる感覚です。そこから過去の星が降った日の回想に繋がり、現実と夢の対比がなされています。「現在」があり、これからの話が「過去」の話であることも意味しているかと思います。
「現在」では、2人が探し求めるものはまだ分かりません。しかし、共通認識として「過去」の星が降った日の事は覚えています。これからのストーリーで確実に重要になる情報です。
今回のまとめ
・何故か泣いている時に向いている方向は、探し求めている人がいた時代を指す。
・星が降った日はストーリーで重要。
・髪を掻き上げる三葉が可愛い。