【君の名は。】を1分ずつ解析する!

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46. 半分の月がのぼる空〜未来と過去・光と闇〜(45:00〜45:58)

スケッチをしまくる瀧の心は。

 

今回のポイント

半分の月がのぼっている空。

 

糸守の記憶のスケッチ

記憶をたどって糸守の風景を描く瀧、山や建築系の書籍を見つつ書き続けています。描き直す為に消しゴムを使う手にも力が入ってしまうようです。糸守の風景を意識するのは瀧の部屋の中だけでなく登下校中でも気にするような表情を浮かべ、日常の生活を送りつつも毎晩スケッチに勤しんでいます。

 

欠けていく月

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

空の風景、クレーン車と月が映し出されています。直近で月が登場した前回の投稿の段階では満月でしたが、このシーンではまもなく半月になろうとする頃、おそらく奥寺センパイとのデートから1週間程度経過した頃だと思われます。

前回、月は三葉と瀧を表しているのではないかと書きましたが、半月になったというのがまた意味深です。月が見えるのは左側、すなわち未来側なので、見えなくなった部分は過去、つまり三葉側の時代で何か真っ黒い出来事があるということを象徴しているのではないかと考えます。半月に関するお話は、また数回後の投稿でも出てきます。

 

完成したスケッチ

再び瀧の部屋、彼は机で眠ってしまったようです。スケッチを見るとどうやら完成しているようです。ほぼ完璧な糸守湖が描かれています。上手い。

この後の展開でわかりますが瀧は糸守湖という名称や場所はわかっていません。にも関わらずこの絵が変えたというのは凄い記憶力だと思います。ただでさえ夢の中の記憶は薄れていってしまうものなので、その状況でのこのクオリティ、恐るべしです。

そして夜が明けて…

 

 

今回のまとめ

・瀧の糸守への想いが強い。

・月は三葉側に何かあったという象徴。

・瀧の記憶力すごい。

 

 

 

 

45. 右には進めぬ信号機〜糸守の記憶を辿る〜(43:58〜45:00)

瀧くん絵が上手い。

 

今回のポイント

信号機と満月。

 

お掛けになった電話

瀧が描けた電話番号は現在使用されていないようです。43回目の投稿の段階では、まるで三葉に瀧から電話が掛かってきたかのような描写をしていましたが、見事にフェイクでした。

この後歩道橋の信号機が映ります。赤信号で右矢印が点灯、その後黄色になり赤信号となります。これと同時に瀧の語りで、もう2度と入れ替わることがなかったと言っています。はい、先の段階では右方向(過去の向き)に進めましたが、その後は赤信号で進むことができなくなります。そして瀧は左方向(未来の向き)に1人で歩いていきます。過去に戻らないことの表現かと思います。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

この後に出て来る満月、たぶん意味有りです(意味ないことの方が少ないと思いますが…) おそらく電線で分断された左右で三葉と瀧を表していると思います。また満月を分断する電線がクロスしていることも何か意味があるはずです。この描写については後の方にも関係ありそうな描写が出て来ます。月関連は49回目にも書くかと思います。

 

記憶を描きおこす

場所は変わって瀧の部屋、瀧はスケッチをしているようです。記憶の中から取り出した糸守の風景画のようです。この作画が(も)本当に凄い。鉛筆の筆跡から紙の質感まで細かい。凄い。語彙力がない……壁には既に糸守の風景が。メモもあり、細かく思い出そうとしている様子が感じられます。

瀧がデスクに向かう構図のシーン、左上にポスターらしきものが。architectureと書かれているでしょうか?本作エンディング辺りの就活シーンで建築系のことに興味があることが分かりますが、まさかポスターがあるとは。

10月ですがまだ暑いようで、瀧の顔には汗が流れています。それでも扇風機の風を浴び、水を飲みながらスケッチを続けます。高校の授業時も糸守のことが気になっているかのように上の空です。

瀧のスケッチ、もう少し続きます。

 

今回のまとめ

・信号機が過去に戻れなくなることを暗示している。

・満月は三葉と瀧を意味している。

・スケッチシーンの作画がやべぇ。

 

 

 

 

44. 風吹けば鐘が鳴るなり糸守湖(42:59〜43:58)

空のティアマト彗星を眺めると…

 

今回のポイント

木々を揺らす風。

 

ショートヘアの理由

3人が歩き出します。三葉が前、その数メートル後ろをてっしーとさやちん。てっしーは、三葉が失恋して髪をバッサリ切ったのではないかと思っているようです。さやちんはその説を全否定、なんとなく切っただけと三葉が言っていたのを信じているようです。

このシーンは見るのが2回目以降の人は色々思うところがあるシーンです。実際はてっしーの読み通り失恋(に近い)状態であることで散髪したのだと思います(多分76,77回目くらいにて触れる)。失恋=瀧との関係が途切れる→むすびの喪失 と捉えると、一旦色々あって三葉の元から組紐が離れたためこのシーンでは組紐が映っていません。しかし瀧目線で組紐に注目すると… というのはこの回のシーンではないのでまた今度。

ちなみに坂道は右から左に歩くように書かれています。未来方向に進んでますね。そしててっしーが髪を切った理由に触れる時は右向き、過去の方向を向いています。髪を切った理由→過去の話だからでしょうか。

 

ティアマト彗星を眺めると

坂を上りきると、三葉が2人に「見えるよ!」と呼びかけます。そして風で揺れる木々が映ります。風が吹く、空気が変わるのは、これから何かが起こる、何かが変化する前兆と相場が決まっています。実況この後とんでもない展開になります。。。

三葉はガードレールの無いところから広場に降り、空を眺めます。ここからのシーンのカメラワーク、見覚えがありますね。『君の名は。』のタイトルが映るところで既に見ています。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

しかしこのシーン、冒頭と異なる点があります。ここでは彗星は分裂していませんが、冒頭では彗星が既に分裂した状態になっています。1回目の投稿のタイトルの通りですが、冒頭で既に結論が出ている、つまり彗星が落ちる様子を描きながらも三葉が無事だということが薄っすらと描かれていると思われます。しかし今回はまだ分裂していない状態、どのような意図だったのでしょう?

残る2人も三葉に追いつき空を眺めます。てっしーも「すげぇ」と呟きます。するとその時彗星が分裂、カメラが一気に引いて三葉と空を映します。先程の風が吹いたら何かが起こるの何かは、彗星の分裂だと思います。そして三葉の目には彗星が映り、キーンと大きく高い音が響きながら画面がブラックアウト。この表現はこの後にも登場します。どういう意図なのかはその時にでも。

 

今回のまとめ

・髪を切った理由は失恋したから。

・風が吹くのは何かが起こる前触れ。

・冒頭と今回の彗星の表現が似てるけど違う。

 

 

 

 

43. お祭りへの招待〜色から見る三葉の精神〜(41:57〜42:59)

三葉、髪が…!?

 

今回のポイント

服装の色の意味。

 

電話の主は…

三葉の電話に着信が。前回の投稿の最後で瀧が三葉に電話を掛けていたので、瀧からの電話だと思いますよね。しかし実際の電話の主はてっしーでした。電話の用件はお祭りの誘いだったようで、後ほど合流するとのこと。三葉、声に元気が感じられません。後に出てくるお話ですが三葉は東京で瀧にフラれたも同然な状況です。それを踏まえると元気の無さも頷けます。

この時の三葉の服装が上下ともに白色の服です。白装束は死者に着せる服のイメージがありますが、精神的にはこのイメージ通りな状態なのでしょうか…

 

お祭りに行く待ち合わせ

神社に向かう人たちは浴衣の人が多く、境内には屋台が並んでいます。三葉がお祭りを忘れていたようですが、実質自分の家で開催されているのに忘れている状態、相当ショックがあったようです。

糸守町のカフェこと宮守バス停、てっしーとさやちんが三葉を待っています。この時の軽トラックが前を通り過ぎますが、8回目の投稿のときとは違いナンバー(たぶん71-64)が時間を表しているというわけではなさそうです。何か意味が分かったかたご連絡ください。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

しかしこのさやちんの目、とても良い。てっしーが三葉の浴衣に期待を寄せてるであろうという心のニヤニヤが顔に出ています。てっしー的には電話先の三葉が暗いテンションで普通に心配してると思いますが…

そんなところに三葉登場。それに気づくさやちんと、遅いと呟くてっしー。しかし2人は三葉を見るや否や仰天の表情を見せます。が、その前に三葉の浴衣に注目してみます。柄は四つ葉?ですかね、妹の名前に絡んでいそうですが単純な話なのでしょうか…?色は青、青は心理的に見ると冷静にさせる色です。三葉のショックを抑えるという意味では青は意味ありげな色です。

それでは戻りまして2人が驚く理由、ロングヘアだった三葉が突然ショートヘアに!!!これはこれで良い。あまりにも衝撃的な変化です。三葉も少し恥ずかしそう。なぜ髪を切ってしまったのか…それはまた次回。

 

今回のまとめ

・電話の主は瀧ではなくてっしーで残念。

・白装束は死人に着せる服。

・祭りの存在を忘れるほどのショックを三葉は受けた。

・青は心理的に冷静にさせる色。

 

 

42. 非常事態!〜信号機と飛行機雲が語る瀧の内〜(41:00〜41:57)

センパイと別れ、電話をかける瀧。

 

今回のポイント

引き続き信号機。

 

問い詰められる瀧と東京の風景

前回の内容の直後「ホントかな〜?」と問いながら顔を近づける奥寺センパイと、それに照れて目線を逸らす瀧。しかしサラッと「またバイトで」とセンパイは別れを告げます。その時信号が映りますが、黄色から赤(矢印無し)に変わりました。瀧の奥寺センパイへの恋が終わったようなことを象徴していると思います。BGMももの寂しげです。

そこから風景が続きます。三つの信号が変わる様子、車が走る大通り、信濃町駅付近からの眺め、空と飛行機と飛行機雲…と続きます。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

さてこの飛行機雲、できる条件があるようで、気温が低く湿度が高いことが条件のようです。そのため近いうちに雨が降る可能性があるようです。

参考:飛行機雲で天気が分かる? | お天気.com

そんな雨が降りそうな様子は、瀧の心情ともリンクさせているかと思います。奥寺センパイに(告ってないけど)フラれた感じになったので、心の中では泣きそうになっているかもしれません。そんな心情が飛行機雲が意味しているかもしれません。

 

三葉の日記のメッセージ

瀧は三葉の日記を見直します。デートの終わる頃には彗星が見えるとのことです。

が、その前に以前の記事の訂正を一つ。40回目の投稿でデートは2016年10月2日(日)と予想していましたが、その予想を否定する情報が出てきます。日記の内容が映し出された時に投稿日時も表示されますが、なんと投稿時刻が2日の18:30!!デートは10月3日(月)だったようです。まさかの平日とは……瀧は高校行かなくて大丈夫だったのでしょうか…?

さて内容に戻ります。空を眺める瀧、当然彗星は見えません。彗星が見えたのは3年前ですから…。そんな瀧、三葉に電話を掛けようとします。日記の機能で電話帳機能があるんですね。電話帳の下には日記のカテゴリー分けがありますが、カテゴリーの一つに「行きたいおみせメモ♡」というのがあります。超気になる。電話ですが、緊急時以外かけてはいけないというルールもあったようです。それもあってか、瀧は電話をかけるまでに少し悩んだ様子です。緊急時…奥寺センパイにフラれたような状況は緊急時でしょう…つらい

そして電話をかけると…!

 

 

今回のまとめ

・信号が瀧の心情を表す。

・飛行機雲も心情を表す。

・瀧が三葉に電話を掛けたのは非常事態だったから。