【君の名は。】を1分ずつ解析する!

【君の名は。】を1分毎に解析・考察してみようと思ったらすごいことになってる

39. 大人の女性が魅せる余裕と女子高生の涙(38:00〜39:02)

瀧のデートと、デートできなかった少女のお話。

 

今回のポイント

 瀧の起床時間と集合時間と最寄駅の関係。

 

待ち合わせ場所に向かう瀧

 デートの待ち合わせ場所に向かって走る瀧のシーンから。彼が向かうのは四ツ谷駅です。20回目の投稿で、立花家の最寄駅は四ツ谷駅だと書きましたが、その根拠がここのシーンです。起床10:15で集合10:30で走ってギリギリ間に合う(?)距離ならば最寄駅でしょう。しかし東京は駅が多いですから本当の最寄駅かどうかは断言できないのが悔しいところです。

デートの待ち合わせ時間や場所を回想として話していた三葉は、彼女自身がデートしたかったのに入れ替わらず悔しいご様子。髪を指に巻いてクルクルする仕草は可愛い。

 

駅に到着した瀧は猛ダッシュしたため息が荒いご様子。駅前で奥寺センパイを探していると、背後からセンパイが登場します。ここの登場シーン、なかなかホラーです。瀧の前を通ってカメラを遮った瞬間に奥寺センパイが現れますが、それまでカメラに映らないように瀧に近づくのは死角が少なく至難の技、イリュージョンのトリックとして実現方法を検証するのも面白いかもしれないシーンです。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

突如登場した奥寺センパイに驚く瀧、動揺しまくります。この日のセンパイのコーデは全体を白と茶色で揃えて秋の色を出しつつ、(おそらく)10月と言えども(今度根拠を書きます)残暑が残る中で涼しさを感じさせるファッションで大人な女性を感じさせます。

 

デートしたかった三葉の本心

 「待った?」と問う奥寺センパイ、瀧は「今来たところ」と伝えます。本当に今来たところです。そして「行こっか」と言いつつ瀧の手を取る奥寺センパイ。完全に大人の余裕を出して主導権を握る感じになっています。

そんな状況を知らないけれどもデートを羨む三葉、登校準備をしています。瀧は10:30にデートなのに三葉は登校するという状況、二人が生きる時間のズレにより曜日が違うため起こる状況です。何故か映画初見時には気づかなかった…。

組紐で髪型を作るときに自分の顔の異変に気付く三葉、涙がこぼれ落ちています。何故でしょう?その理由は、また次回。

 

今回のまとめ

 ・立花家から四ツ谷駅まで15分以内で着く距離。

・奥寺センパイやっぱりオシャレ。

・何故か三葉も泣いている。

 

 

君の名は。

君の名は。

 
君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)
 

 

 

38. 夢から覚めた男の涙の理由(37:04〜38:00)

目がさめると、デートすることになっていた。

 

今回のポイント

 瀧が流す涙の意味。

 

夢を見とるな?

三葉が顔を正面に向けると、そこには夕日によって紅色に染まった糸守湖が大変美しい姿を見せていました。こういう景色、良いですね〜。四葉が横で、彗星が見えるか気にします。しかし三葉、中身は瀧なのでこの時期にティアマト彗星が急接近していることを知りません。そのため四葉の不意打ち発言に若干の疑問を持つような応対をしています。

 その時、一葉さんが何かを察したようです。三葉に向かって、夢を見ているな?と問います。確かに瀧にとっては夢の世界ですが、何故一葉さんはそれが分かったのでしょうか。これについては、65回目辺りで答えが出てくるかと思います。なぜなら…

 

目を覚ますと…

 次の瞬間、瀧は夢から覚めて飛び起きます。そして目から涙が…。瀧自身も何故涙が流れているのか分からないようです。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会 

先の内容にも触れてしまいますが、瀧と三葉の入れ替わりはこれ以降起こらなくなります。即ち直前の入れ替わりが実質最後の入れ替わりで、瀧と糸守の人々との最後の接触でした。しかも後に糸守町で大惨事が起こることを知りますので、夢の中で出会った三葉や周囲の人々と本当に二度と会えない別れが唐突に訪れます。瀧の流した涙は、この別れを暗示しているのではないかと思います。おそらく人によって解釈が違うように思うので、何か別の考えがある方はコッソリ教えてください。

 

デート♡

スマホに着信が。奥寺センパイからのようで、なんとデートの約束♡をしていたようです!ひゅう〜!しかしメッセージを見た段階では瀧は理解できておらず、頼りの三葉が書いた日記を読みます。

この時のスマホの画面を見ると、インスタやHuluらしきアイコンがありますね。Huluは外国の企業ですが、国内の筆頭株主日本テレビのようです。そういえば地上波で『君の名は。』が放送されたのは日テレでしたね。

さて、日記を見てデートの約束をしていると知り驚く瀧、現在時刻は奥寺センパイからのメッセージによると10時15分、約束の時間は10時半!やばい!急いで着替えて家を出ます。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

さあここでドアに注目なのですが、なぜか20回目のときのドアと開き方が変わってます。20回目は右開きに対して、今回は左開きです。約1ヶ月の間に局所的なリフォームが行われたのでしょうか…?

そんな疑問を残しつつ、瀧は待ち合わせ場所へ急ぎます。

 

今回のまとめ

 ・瀧の彗星についての認識はない。

・寝覚めると流れている涙は今後の暗示。

・ドアがリフォームされた。

 

 

 

 

37. カクリヨを目指して進んだ先に…(36:02〜37:04)

口噛み酒をお供えし、帰りは夕暮れ時になりました。

 

今回のポイント

御神体に入るまでの3人。

 

小川が分断するもの

 山の窪みに降りると小川が流れていました。一葉さんによると小川を渡った先はカクリヨ、あの世を意味しているようです。それを聞いて四葉はテンション高く無邪気に小川を渡ります。それに続いて残る二人も渡ります。一葉さんの手を引く三葉は小川に足を入れていますが、一葉さんを支える力を入れる為には飛び石の上では距離があり難しいと判断したのでしょうか。34回目の投稿でも触れましたが、三葉と入れ替わっている瀧にとっては祖母の存在が非日常で、このような思いやる行動を取ったのだと思います。人想いの超優しい子。

 

御神体の中へ

此岸に戻る為には、 一番大切なものをお供えしなければならないとのこと。それ即ち口噛み酒、三葉の半分を意味するものです。三葉の半分、それは三葉の魂が口噛み酒にあり、それをお供えするということになるのでしょうか。そうすると60回目前後での説明がいい感じにできるんじゃないかなと思っています。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

さあ、3人が御神体に入って行きます。ここでまとめて説明しますが、御神体が見えてから入るまで、3人は右から左の方向にのみ進むように描かれています。右は過去、左は未来を表すという話はすでに初回の投稿の段階で触れています。小川の先はあの世という説明があったように、御神体がある場所はあの世の位置なので、御神体(あの世)を目指す→未来方向に進まなければおかしいのです。

また御神体に入っていく描写は描かれていますが、中の様子や外に出てくる様子は描かれていません。3人があの世に入りっぱなしという描写と考えると・・・とてつもなく重要な伏線だと考えられます。

 

夕暮れ時の帰り道

 御神体に入った直後、帰り道の描写に切り替わります。あたりは夕方で紅く染まり、3人は左から右に進んで山を下りて帰っていきます。飛んでいく鳥を眺め、四葉はもうかたわれ時だと言います。三葉と入れ替わっている瀧はかたわれ時という言葉を聞いたことがないのか、かたわれ時という言葉がしっくり来ていないようです。10回目の投稿の時に高校の授業でかたわれ時というワードが出てきますが、ここで授業を受けていた三葉は入れ替わっていない三葉のため、瀧がかたわれ時というワードを耳にしていないのは矛盾しないでしょう。

そんなかたわれ時を気にしつつ、三葉もとい瀧が正面を向くとそこには…!

 

今回のまとめ

御神体はあの世に位置する。

・口噛み酒は三葉の半分を意味する。

御神体に入ったが出てくる描写が無い。

 

 

 

 

36. あれもこれもそれも、むすび(35:07〜36:02)

山登りの末、ついに御神体が見えるところまで到達。

 

今回のポイント

なぜ御神体が山の上に移動されたのか。

 

 

これもまた、むすび

 山登りの途中で休憩、腰を下ろしてお茶を飲むシーンからです。一葉さんから手渡されたお茶を飲む三葉に、私も飲むと横から四葉が話しかけます。すると一葉さんは『これもむすび』と一言。水、酒など様々な物が体に入り魂と結びつくこともむすびだそうです。この言葉については61回目の投稿で書けるかと思います。

今回の御神体イベントは、神様と人間を繋ぐ大切なしきたりとのこと。前回含むこの1分半で、一葉さんによりむすびとは何かということが説明されました。むすびとは神様の古い呼び名で、様々なモノや人などとの繋がりを意味すると私は捉えています。

 

御神体が見えた

ついに御神体が見えてきます。 おぶっていた一葉さんを降ろし、御神体を見つめる三葉。この時突然風が吹きますね。実は風は元々吹いていたとしても、髪がなびく程の風ではなかったはずです。このように風が吹くときは何かが起こる前兆だと思います。慣用句として「風向きが変わる」などの表現もあることから、雰囲気や流れが変わるポイントで風が用いられていると思います。その何かが何なのか、まだ分からないので次回とか書けるといいなぁ…

 

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

三葉たちが御神体を眺めた位置から御神体まで、まだ距離がありそうです。上空からの眺め、山頂は窪んでいて、その中央に御神体があります。そして山の向こうには糸守湖が映ります。ここだけで10秒くらいの尺が取られているので、この景色には何か意味がありそうです。

 勝手な私の妄想としては、山の頂上にも実は隕石が落ちていて窪みができたというのを考えました。隕石が落ちた所謂パワースポットであるため、繭五郎さんは御神体を山の上に持ってきたのでは?と思いました。果たして真相は………

 

 

今回のまとめ

・ これもまたむすび。

・この日のイベントは大切なしきたり。

・実は山にも隕石落ちた説を提案したい。

 

 

 

 

35. この世はむすびでできている〜君の名は。の主題はココにある〜(34:06〜35:07)

むすびって知ってるかい?

 

今回のポイント

むすびの説明。

 

一葉さんのありがたきお言葉

御神体への道中、一葉さんは三葉と四葉に語りかけます。むすびを知っているか、と。むすびとは古い言葉で土地の氏神様のこと。むすびに深い意味があるとのことです。

三葉と四葉は、突然一葉さんが語り出したのに驚いているのか、なんか不思議な表情を見せています。一葉さん、作中で定期的に超重要情報を教えてくれます。今回のお話は特に重要で、個人的には本作の主題は「むすび」で、この1分は主題に関する説明だと思っています。

 

むすび とは

むすびと一言で言っても、様々なことに対してむすびと言うことができるようです。糸を繋ぐことも、人が繋がることも、時間が流れることもむすび。これら全て神様の力だと一葉さんは言っています。そんな話をしている時、三人が進む方向は右から左、過去方向から未来方向です。時の流れがむすびと言っているのに、そのタイミングで時を逆走するのは良くなさそうです。

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©︎2016「君の名は。」製作委員会

 

組紐も時間の流れを表しているようです。この話の時には色とりどりの組紐が出てきて、左下から右上の方にカメラが動きます。組紐を川のように見立てると、下流(未来側)から上流(過去側)を眺めているようにも見えます。

 

むすびを意味する紐と川

寄り集まって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って途切れ、また繋がり、それがむすび、それが時間。

©︎2016「君の名は。」製作委員会

一葉さんのこの説明もですが、それに対応するように描かれている内容も深い表現がされています。先の説明の、『〜絡まって』までは組紐を作っている様子が描かれます。寄り集まり、捻れて絡まるシーンが説明に合わせて描かれていますが、この後からは急に変わって川の描画になります。先にも説明したように組紐は時間の流れを表していますが、前回の投稿の内容で川の流れも時間の流れを表しているのでは、と触れました。急に組紐から川に描写が変わっても、表現していることは共通ということになります。

さて、『時には戻って』のところで川で流れる落ち葉が流れに逆らって進みます。落ち葉が人を表すということも前回の投稿の内容で触れましたが、ここは瀧が過去に生きる三葉と入れ替わっている暗示かなと思います。そうでなくとも、人が過去に思い耽ることもあるよねという表現がなされているとも思います。どちらかというとここの説明は入れ替わりの説明よりもむすびの概念の説明なので後者寄りの意図が強いような気がします。

この後『途切れ、また繋がり』と続きます。『途切れ』の説明の時には木から落ちる葉が描かれています。木には多くの葉があるので、それ一帯が人との繋がり、「コミュニティ」を表しているのではないかと思います。しかしそのコミュニティから離れてしまうこともしばしば。。。これが『途切れ』に含まれる意味合いかと思います。しかし途切れても『また繋がり』とあるように別のコミュニティに属することもモチロンあります。今回の描画では、川には既に多くの落ち葉が浮かび、そこに木から落ちてきた葉が加わるような描画になっています。さらに、着水した落ち葉は水面に波紋を作り出し、周囲の葉を揺らしています。波紋は「周囲への影響」を意味し、他から新たに加わった人もそのコミュニティを動かせる、いわゆるインフルエンサーになれるということや、そこまで大それていなくとも何かしら周囲の人との繋がりは作れるということを示唆しています。

そんな言葉と描画による説明がありましたが、これがむすび、時間というものです。ちなみにこの1分間の間に三人が右方向に進む描画は一切ありませんでした。時には時間に逆うとしても、基本は一方通行なのですから…

 

今回のまとめ

・むすびは元々氏神様のこと。

組紐や川は時間を表す。

・言葉だけでなく描画でも説明している。